南阿蘇村のそば栽培の歴史
阿蘇地域では古くから畑作物として自家用に在来種のそばが栽培されており、地元の精米所で製粉されたそば粉を「そばがき」にして食べていました。
平成2年に旧久木野村に「久木野そば研修センター・そば道場」が建設され、そば栽培が奨励されたことからそばの栽培面積が増加し、特産品となりました。
さらに令和元年にそば専用の乾燥調製施設を整備し、高品質のそば生産に取り組んでいます。
そば栽培面積と生産量の推移
南阿蘇村では令和3年度に115haでそばが栽培され、約120tの収穫量があります。平成25年と26年は播種時期である8月に雨が続いて適期播種ができず収量が低下しました。令和元年に乾燥調製施設を整備し、適期刈取りができるようになって収穫量は増加傾向です。
南阿蘇村のそば栽培の特徴
・南阿蘇の地で長年受け継がれてきた在来種を栽培しています。
・南阿蘇は九州のほぼ中央の阿蘇カルデラ内にあるため、朝夕の冷え込みが大きく気温の日格差が大きいため、風味の高いそばが育ちます。
・そばは湿害に弱いため、種まき後に強い雨が降ると発芽しない場合もあります。南阿蘇村は排水の良い火山灰土壌であり、腐植が多く肥沃なので化学肥料を施す農家もほぼいません。
・そばは8月に種をまき、10~11月には収穫するとても生育の早い作物です。種まき後に雑草が生えるより早く発芽して地面を覆うため雑草による悪影響がなく、除草剤を使用しません。また、そばを食べる害虫や病気も少ないため農薬を使用していません。
・令和元年に南阿蘇村が整備したそば専用の乾燥施設で30℃程度での低温乾燥と調製を行うため風味を損なうことなく、農産物検査ではすべて一等格付です。さらにそば専用の保冷庫で15℃程度で保管するため、夏を過ぎても品質が低下しません。